青崩峠(1082m)・熊伏山(1653m)
16.10.24
青崩峠は信州と遠州の境にあり、「塩の道」と言われた旧秋葉街道の峠であります。青崩れの
地名の由来はここが中央構造線上にあるため崩れやすく、青褐色の岩盤が崩れ落ちている事に
あるようです。現在、R152は峠を挟んで直線にして僅か1.5kmほどがつながらず点線国道とな
っております。
その昔、遠州の海の幸と信州の山の幸がこの峠で行き交い、また戦前は製糸工女もここを越え
て行った記録があるようで、ドラマにもなった「野麦峠」のような地が身近にあった事に驚きました。
熊伏山の由来も熊でさえその急峻な崖に近寄れず伏せているため、熊伏山といわれるよう になっ
たようです。
熊伏山へは天竜村からのルートもありますが、ここでは南信濃村からの青崩峠からを紹介いたし
ます。
R152の青崩峠行止まりの案内を右へ 登山口手前の駐車場
南信濃村和田からR152を約3kmほど東に登ります。左に急カーブする所まで行くと青崩峠の
案内があります。(写真左)そこから右に進み、舗装されているが狭い道を約6km行くと駐車場が
あります。奥の河原は、以前は駐車出来ましたが、現在(16年10月)地質調査のため不可です。
登山口 青崩峠まで20分 熊伏山まで峠から2時間の案内 峠までの途中にある青崩神社
駐車場から2、3分で左側に登山口があります。きれいに整備され歩きやすい登山道を10分ほ
ど歩くと苔生した石段に青崩神社の祠が現われます。
青崩峠1082m 地蔵や案内板有り 登山道からの信州側 谷の奥は八重河内地区
駐車場から20分で青崩峠に到着。遠州の水窪側からだとR152が峠のすぐ近くまで来ていて、
5、6分で登ってこられるようです。熊伏山へは写真左の石段(左側)より登ります。
階段状の登山道が整備されている 熊伏山登山道からの崩壊地
左側が遠州、右側が信州の急な尾根を登ります。右手には青崩の断崖がよく見えます。
台風で倒れたと見られるツガの木 観音山と熊伏山への分岐 右へ向かう
青崩峠より尾根を登る事約40分で左手に反射板のある鉄塔があり、そこからは斜度も緩やか
になりブナやカエデの林の中をさらに30分ほど行くと観音山と熊伏山への分岐に着きます。熊伏
へは右の尾根を行きます。
林の中で見つけたキノコ サルノコシカケの仲間 熊伏山山頂1653m
分岐からは2回ほど登り降りがありますが苦にならず、20分ほどで山頂に着きます。山頂からの
眺望は樹木があるため東側しか見られませんが、南アルプスの南部の山並みがなかなかです。
写真右の向こうに南アルプスが見えるのですが、この日は午後で霞んでおり写せませんでした。
尾根道からの遠州側 マムシグサ(サトイモ科)の実 峠付近で
下りは登って来た道を戻ります。急なため崩壊地の縁は注意が必要です。山頂から駐車場ま
で1時間で下りましたが、普通なら1時間30分見とけばよいでしょう。
今回で3回目の熊伏山でいずれも秋しか行っておりませんが、紅葉は10月の終わり頃が最高
です。今回は毎年行なわれる兵越峠の国盗り綱引き合戦を見た後に登ったため、1週間ほど紅
葉に早かったようです。熊に遭いたいと期待して行きましたが残念ながら、鹿の鳴き声を聞いた
だけでした。突然バッタリ遭遇しなければツキノワグマなら大丈夫のようです。
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