やり
北アルプス 白馬鑓温泉
平成16年7月19日 曇り時々雨
ついに念願の白馬鑓温泉に行って来ました。5月からスキーを背負って二度挑戦するも、
温泉まで行けず、3度目の正直で叶いました。
白馬鑓温泉は標高2100mの地点に湧出る温泉で、立山のみくりが池温泉、八ヶ岳の
本沢温泉に次ぐ国内3番目の高所にある温泉です。白馬三山(鑓ヶ岳、杓子岳、白馬岳)の
鑓ヶ岳の南山稜直下にあり、積雪時には雪崩れの巣になるため、小屋は7月に組み立てら
れ、9月下旬には畳まれてしまいます。
猿倉の駐車場 3連休最後とあって満杯 小日向のコルへの登りからの白馬大雪渓方面
5月の残雪期に来た時は苦労して小日向のコルまで2時間半から3時間かかったのが、
今回は1時間半。草木が茂って、5月に来た時のコースが判らないほど変貌していました。
小日向のコルにある池塘 キヌガサソウ
小日向のコル一帯は湿地帯で幾つかの池塘(ちとう)があり、キヌガサソウや水芭蕉が群生
し、5月の残雪時にはとても想像がつかぬ情景でした。
5月22日の小日向のコルの写真をご覧になりたい方は右をクリック
中央部が鑓温泉 小日向のコル付近より 杓子沢の雪渓と八方尾根(奥の尾根)
コルからは等高線に沿って夏道が整備され、雪面だった所は背丈以上のイタドリが茂り、
岩場や砂地にはクルマユリ、ギボウシ、シモツケソウ、アザミ等が短い山の夏を急ぐように咲い
ていました。あの深い残雪から2ヶ月しか経っていないのに、それぞれの植物が成育し花を付
けているのには感動しました。
コルから見た鑓温泉はまだ沢筋に雪渓が残り、左写真で見るように、上部から土石流が雪
渓へと崩れた跡が確認出来ます。
杓子沢も雪渓の下を雪解水が轟音を立てて流れ、雪渓を渡る上部にはポッカリと穴が開い
ており、上部からの落石によるものと思われます。写真右のように相当の落石があります。
鑓沢からの雪解け水 かけ流しの温泉のため湯が年中流れ出ている
杓子沢を過ぎ右手から張り出す雪渓を幾つか渡ると、左手に水量のある沢が現れ、案内通りに
雪渓に沿って登って行くと硫黄の臭いを感じるようになります。小屋の手前まで来ると温泉から流れ
出た湯が、沢になっておりました。
まだスキーで滑れそうな雪渓もあり、沢筋の雪渓はまだ厚い所で2mくらいあります。
白馬鑓温泉露天風呂 上部に見える雪渓は鑓沢 露天風呂 小日向のコル方面
小屋に11時30分到着。猿倉を出発して3時間半、予定より早かった。300円払って露天風呂に
入った。私一人で独占。硫黄の臭いがして湯加減もちょうどいい。上の石垣の間から湯が湧出て
いるようで、その付近が熱かった。女性専用風呂もあり、露天風呂は夜8時〜9時までが女性専用
になるようだ。泊まりで来て満天の星を眺めながら露天風呂に浸かれたらなあ、と思うのでした。
帰りは雨の中、猿倉まで3時間でした。汗と雨で濡れ、今回も麓の「おびなたの湯」で汗を流して
帰路に着きました。かみさんと娘から「汗かいてそんな温泉に行って、また帰りに汗かくんだったら
最初から麓の温泉だけにしとけばいいのに」と言われてしまいました。わかってねえなあとも言えず
雨で濡れた靴、泥で汚れた雨具を自分で片付けるのでした。
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