季節のお便り
平成30、31年のおたよりへ
一年は早いもので大晦日になってしまいました。今年は自然災害や消費税の増税等、庶民にとっては逆風が吹いた
年だったと思います。日本人の生活が年々悪くなって、先進国から「後退途上国」に成り下がっている感じです。
世の中の矛盾を徹底的に風刺した面白い動画を紹介します。TVでも紹介され大反響のようです。正月のくだらない番
組を見てコタツで寝転がっているのなら、こちらをご覧ください。せやろがいおじさん動画
千曲川堤防決壊100m上流のリンゴ園 ブルーシートで法面がまだ被われている 長野市穂保地区 2019.11.13
台風19号の被災から1ヶ月が経ちました。被災地では住宅の浸水により、泥を被った家財の搬出が一段落し、畳をめく
って、床板を外して縁の下の泥を除去して乾燥している状態です。乾燥しても大工さんや畳業者も間に合わず、数ヶ月は
先になりそうで、正月までには1階に住めそうにないようです。
13日に3回目のボランティアに行って来ました。今回は千曲川の堤防が決壊したすぐそばの穂保地区の農家でした。
2m程浸水したようで、住宅の他に車6台、SS(スピードスプレヤー)、トラクター等が水没し、さらに自宅前の野菜ハウス
が倒壊し、その跡地の泥の撤去作業を行いました。トラクターは今年3月に買ったばかりの新車が泥だらけで置かれて
おりました。17馬力ですから170万円はするでしょう。SSは農薬散布には絶対に必要です。タンクの容量にもよりますが
新車で買えば800万円~1000万円という代物です。リンゴ農家を続けていくにも、機械が全部ダメになってしまって、一
からやり直さないと出来ん。と、そこの農家の70歳くらいの奥さんが話してくれました。自家用車両は車両保険に加入して
いればまだ救われますが、農機具などはそこまで付保されていないのが実情です。
14日から農業ボランティアの募集が始まり、本格的に果樹園、水田等の泥の撤去が行なわれます。ボランティア活動に
行かれるには高速道路を利用した分は往復無料になります。私もそれを知らず帰りに受付で証明書をもらってインター
の料金所に提出していたところ、往路(行き)の分も様式をダウンロードして行けば無料になるということを知り、今回往復
無料で済みました。ボランティアに行こうにも高速代が高いからと躊躇している方は無料ですので、是非行ってあげてくだ
さい。 ダウンロード→ボランティア車両証明書 2019.11.15
進行役の大蔵喜福氏と1959年の遠征隊メンバー(松島信幸氏、北城節夫氏) 記念講演「歩き続ける力」 三浦雄一郎氏
南信州山岳文化伝統の会発足と飯田山岳会ヒマラヤ・サルバチュム(6,918m)初登頂60周年を記念して、10月21日
エスバードホールにて山岳シンポジウムが開催されました。第1部は当時の初登頂の時の貴重な16mm映像や、音楽
プロデューサー桑原利彦氏らによるコンサート、第2部は遠征された隊員と飯田市出身の世界的登山家大蔵喜福氏との
鼎談が行なわれました。第3部はこのために、わざわざこんな田舎まで札幌から三浦雄一郎氏が来て下さり、「歩き続け
る力」と題して講演がありました。三浦氏は現在87歳ですが、体つきはプロレスラーのような厚い体で、今でも800gのス
テーキを食べるそうです。3年後の90歳には南米最高峰のアコンカグア6,000m地点からのスキー滑降に挑むとのこ
とで、常に目標を持って挑戦することの大切さを教えてくれました。三浦氏の父の敬三さんが99歳の時にモンブランの氷
河をスキー滑降したのが、当時60代で何も目標を持ってなかった雄一郎氏の闘志に火を着けたとのことでした。
私もスキー・登山を生涯スポーツとしているので、命ある限り続けたいと思っております。 2019.10.25
茶臼山カエル館 ヤマヒキガエル カワチブシ(トリカブト属) カエル館前にて
5月に結婚した娘夫婦が佐久市から来て、娘婿が根羽村の茶臼山カエル館に行きたいということで、案内して一緒
に行って来ました。ここにはテレビで何度も紹介されたワンと鳴く「ネバタゴガエル」がおり、最近は館内に磁場がある
ことが分かり、パワースポットとしても人気です。茶臼山カエル館
周辺にはカワチブシ(トリカブトの一種)が見頃で、ミツバチが盛んに蜜を集めていましたが、トリカブトには毒があり
トリカブトのハチミツを食べた山師たちが狂ったという話を聞いた事がありますが、本当なのかは不明です。
ヒキガエルもドアップにすると恐竜ですね。 2019.9.8
先日の中央アルプス千畳敷の「スイコンボウ=タカネスイバ」と「イワスゲ」が猛威を振るって、他の高山植物に悪影
響を与えていないだろうか?という問い合わせを駒ヶ根市観光課にしていたところ、丁重な回答がありました。
千畳敷一体は県立公園で県の天然記念物に指定されており、信州大学の学識者、国、県の機関、山岳関係者から
成る「中央アルプス駒ケ岳保存管理委員会」が組織されていて毎年生態系を調査しているとの事です。今回の私の警
鐘も委員会に報告し、課題とするか検討してくれるとのことです。 2019.8.23
スイコンボウに占領されそうな中央アルプス千畳敷お花畑 千畳敷から乗越浄土方面 2019.8.13
4年ぶりに中央アルプス駒ケ岳ロープウェイで千畳敷を訪れたのですが、お花畑に猛威を振るっているスイコンボウ
(正式名…スイバ)とイワスゲというイネ目植物に驚きました。4年前は7月に来たのですが、その時は時期が早いのか
気にはならなかったのですが、スイコンボウの繁殖力は凄く、写真左下の赤い穂の植物が一面に広がり、写真右も赤
い穂がお分かりになるかと思います。他にもイワスゲと思われる雑草も猛威を振るい、このまま放置すれば牧場になる
こと必至です。
駒ヶ根市役所観光課に認識しているか確認を依頼したところです。観光客の中にこの異変に気づいている人はいない
でしょうね。 私は写真や登山を趣味としておりますが、ただ奇麗な写真を撮るだけでなく、生態にも関与して観ていきた
いと思って行動しております。 2019.8.16
地元座光寺恒川遺跡発掘調査 うねの跡 7/10出土した石斧 2019.7.10
6月は実家の梨園の摘果作業と南水の袋掛け作業や、同級生の果樹園の手伝いがあったのですが一段落し、
以前からお願いしてあった市の教育委員会の遺跡発掘調査に7月より行っております。座光寺の恒川(ごんが)
遺跡は直ぐ近くに高岡古墳があり、奈良・平安時代に信濃国の最南の「伊那郡」を統治していた役所(伊那郡衙)
の跡で古代国家の地方支配を知る上で重要な価値のある遺跡であると言うことです。飯田市ではここに史跡公
園を作る計画で進めております。元善光寺駅の東側の線路下になります。
写真は畑のうねの跡です。北東側に隣町の高森町があり、境を流れる南大島川が1715年(ひつじ年)に氾濫し
ており、これを「羊満水」と呼びます。この時の土砂が地表30~50cmの下に20~30cm堆積しているため、土砂
を除去する作業が中心です。日陰が無いため暑くて、熱中症にならないよう気をつけて作業をしております。いい
ダイエットになります。富本銭が近くの高森町で出土しているので、期待を持ちながら作業をしてます。2019.7.13
桑の実 2019.6.3
実家の梅の収穫を手伝いに行き、隣りの畑の隅に桑の実が生っているのを見つけました。桑の木自体、近年は
まったく見かけなくなりました。飯田下伊那地方は昭和30年代までは養蚕が盛んで、桑の葉は蚕の餌にするため、
あちこちに桑畑があったのですが、もう殆んど見ることが出来なくなりました。 当地方で養蚕を営む農家は殆んど
ゼロかと思います。私の実家でも昭和35年くらいまで蚕を飼っていたのですが、桑畑は果樹園に変っております。
子供の頃、近所の桑畑に行って桑の実(当地方ではツナミと言った)を食べたものです。写真はまだ完全に熟して
おりませんが、赤ワインより濃い黒紫色になると食べ頃です。この桑の実ですが、別名マルベリーと呼ばれフラボ
ノイドが含まれ、ガンや老化の原因となる活性酸素を除去する効能があることで注目されております。ジャムやワイ
ン用に品種改良された大実の種類があるようです。 2019.6.3
梨(豊水)の幼果 2019.5.20 梨の人工授粉作業 2019.4.22
さわやかな新緑の時期となりました。近所の果樹園では今、梨の摘果作業の真最中です。私の実家でも梨園が
あるため、先週から毎日かみさんと摘果作業のお手伝いです。4月に人工授粉して結実したものを選る作業です。
一つの花房(花序)に花が複数咲き、受精して結実した幾つかの中から、形がよく奇麗な実を選び、1つにする作
業のため、人間の手作業になります。一日中、上を向いて腰をかがめたりするため、大変な作業です。実家では
総勢5人でこの作業をしていますが、夫婦二人で作業している農家が多く、後継者がいない農家では、はかどらず
に苦悩しているようです。梨の摘果が終わると続いてリンゴの摘果作業が待っております。いくら機械化が進んで
いるとはいっても、摘果や袋かけ作業は人足作業となります。
農家には土日休みがなく、農繁期は大変ですね。 2019.5.20
長走沢 奥は北アルプス杓子岳ジャンクションピーク 長走沢上部(左写真の左のコル)から滑り降りるF氏 2019.5.11
県内のスキー場は渋峠を残し、GWの6日で今季の営業を終了したようです。ゲレンデスキーは終わってしまっ
たのですが、高い山に登ればまだまだ雪はあります。先日の御嶽に続き、今回は釣り、自転車、スキーにと半端
でないF氏を誘って、白馬三山(白馬、杓子、鑓)の杓子岳の長走沢に出掛け、双子尾根の樺平(2,120m)から滑
り降りて来ました。御嶽に勝る急勾配で、最後の尾根に登る斜面は四つん這いで登りました。
これが今シーズン最後のスキーかと思いきや、F氏はまだまだ乗鞍岳に行く気満々で、私もその気になっている
ところで、かみさんからは呆れられております。 2019.5.12
御嶽山9合目からのスキー滑降 2019.5.3
GW中、旧三岳村にある御岳ロープウェイが営業を行なっているということで、朝6時に出てR256の清内路
を回って行って来ました。御岳ロープウェイはスキー場として1989年にオープンしたのですが、スキー人口の
減少と、東海北陸道開通により美濃地方のスキー場に客を奪われ2011年春で営業を止め、その後、別の
会社が夏と秋の紅葉シーズンまで営業を始めております。木曽地方のスキー場は2014年の御嶽山噴火の
影響とアクセスの悪さにより、存続が危ぶまれているスキー場ばかりです。スキー人気の復活しかありません。
御嶽山からのバックカントリーは今回が3回目ですが、歳と共に以前のコースタイムより、遥かにオーバーし
ております。三重県から来たと言うシニア6人グループと出会いましたが、70歳の方が一番元気だと笑ってい
ました。 詳細記録は野塾写真館 をご覧下さい。 2019.5.3